ダイバーシティランチョンセミナー
多様性が重要であるのは, 生物界でも人間界でも同じです. 属性に関わらず全ての学会員が学会からの恩恵を平等に享受し, 能力を発揮できる環境の整備を目指して, 2024年1月, 企画委員会の下部組織としてダイバーシティ推進ワーキンググループが発足しました. その初めてのイベントとして, 以下の通り, 研究とダイバーシティに関するランチョンセミナーを開催します. セミナー中に会場で食事が可能ですので, 昼食を食べながら, ぜひご参加ください. 先着60名様に無料でお弁当を配布します.
日時:9月14日(土)12:00-13:00
会場:口頭発表B会場
講師:裏出令子氏(京都大学複合原子力科学研究所)
プログラム
1) 挨拶:綿貫豊(日本鳥学会会長)
2) 講演1:日本鳥学会における男女共同参画の現状
堀江明香(日本鳥学会ダイバーシティ推進ワーキンググループ長)
3) 講演2:ダイバーシティとインクルージョンを妨げる壁〝無意識のバイアス”とは
裏出令子氏(京都大学 名誉教授 複合原子力科学研究所 特任教授)
要旨:先進国の中でジェンダーギャップ指数が最下位(2024年118位)である日本においては, 多くの組織がジェンダー・ダイバーシティとインクルージョンの実現に向けて大きな課題を抱えている. 科学技術分野も例外ではなく, 企業やアカデミアに所属する研究者の女性割合はOECD諸国の中でとび抜けた最下位が定位置となっており, ジェンダーギャップ改善の速度も諸外国と比較してきわめて緩慢である. この背景には, 従来型の家族制度の中で形成された慣習や文化を支える性別役割分担やジェンダーステレオタイプで代表される“無意識のバイアス”があり, 制度の整備が進んでも無意識のバイアスのネガティブな影響の排除に取り組まない限り変革は進まないことが過去の事例から明らかとなっている. 本講演では, 「無意識のバイアスとは何か」, 「無意識のバイアスがどのように女性の参画を妨げているのか」を, 主に米国で行われた心理学や行動経済学の研究事例を交えながら紹介する. また, 科学技術系学協会の連携団体である男女共同参画学協会連絡会が行ったアンケート調査で浮かび上がってきた日本の学会におけるジェンダーギャップの問題と, 学会に求められる取り組みについても簡単にお話しさせていただく.
4) 質疑応答
裏出令子氏プロフィール:
専門は食品生化学(タンパク質の構造と機能). 2015年に日本農芸化学会の男女共同参画担当理事, および男女共同参画委員会委員長を兼任されたのを機に, 男女共同参画に関わるようになる. 2020年には一般社団法人男女共同参画学協会連絡会の第18期副委員長を務める. それ以降, 同連絡会の内閣府等関連省庁への提言・要望活動および「無意識のバイアス」の啓発活動に携わり, 大学のダイバーシティ講習や学会での講演など, 数多く行っている.
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